死者の日とハロウィン
11月6日の日曜日、教会では死者の為のミサが行われました。
11月2日が、カトリックの歴で「死者の日」です。キリスト教を信仰して亡くなった人々に敬意を表す日です。カトリック教会では、「死者の日」にちなんだミサを行います。平日の場合、沢山の信者が来られる日曜日にもミサが行われます。この日が近づくと、礼拝堂の前に箱が置かれます。信者は、自分に縁のある死者の名を紙に書き、箱に入れます。夫は父のパウロと母マリアの名を、そして私の祖父ルイの名を書いて箱に入れました。
ミサが始まると、この箱は、侍者によって他の奉納物(献金)と共に祭壇の前に運ばれます。ミサの中で司祭は、普段の死者の為の祈りに、「〇〇教会に関わる死者たちの為に祈ります」という祈りも加えます。
「死者の日」の2日前にあるのが、ハロウィンです。
10月31日の「ハロウィン」に始まり、11月1日の「諸聖人の日」、そして11月2日の「死者の日」と、死にまつわる記念日が続きます。そのせいか、ハロウィンが教会行事と思う人がいますが、違います。
ハロウィンの起源は古代ケルト人の「サウィン祭」という秋の収穫祭です。古代ケルトの歴では、10月31日が一年の終わりでした。この日の夜には、あの世とこの世の境がなくなり、死者の霊が戻ってくると考えられました。
ケルト人にキリスト教が広まるにつれ、「サウィン祭」もキリスト教の文脈の中で再解釈されるようになります。「サウィン祭」がカトリックの「諸聖人の日」の前日だったことから、諸聖人の日の旧称である「All Hallows」に、前夜という意味の’eve’が加わり、「Hallowseve」と呼ばれました。それが次第に訛り、「Halloween」となりました。
1840年代、ケルト系移民たちによって「Halloween」がアメリカに持ち込まれ、アメリカ流に代わって現代の形になったと考えられています。
Halloween に訪れた横浜山手の外国人墓地
ハロウィンの日、私は人形展を見るために横浜の山手を訪れました。月曜日の夕方でしたが、仮装して洋館を巡り歩く子供たちのグループを幾つも見ました。山手の洋館たちは、ハロウィンの飾りつけをし、撮影スポットを提供していました。当日の夕方にするだけ、山手は良い方です。日本ではハロウィンが浸透したと言われることもありますが、仮装した子供を見かけるのは、ハロウィン近くの土日の午前中や昼間が多いです。明るい時間にやっても、あまり雰囲気がないな~、と思います。
アメリカのハロウィンは、本格的でした。ハロウィンの夜、夕食が終わった頃、子供たちが思い思いの仮装をして、好きな家を訪れました。多くの家がお化け、魔女、ガイコツ、蜘蛛の巣などの不気味な飾りつけをして子供たちを迎えました。庭に墓やゾンビのオーナメントを置く家もあります。家も庭も大きいので、飾りつけもスケールが大きかったですね。
私が住んでいた家にも、幾つもの子供たちのグループが来てくれました。白人が多い地域で、日本人が珍しかったのか、男の子がニコニコしながら私を見ていましたっけ。
アメリカ在留中は、沢山の面白い経験が出来ました。