アシナガバチⅡ

9月10日の朝のことでした。先に起きていた夫が、後から起床して居間に入った私に「おはよう」の挨拶の次に発した言葉は、「とうとう見つかっちゃったよ~」でした。残念そうな声です。何事かと思ったら、アシナガバチの巣がヒメスズメバチに見つかり、襲われていました。二匹のヒメスズメバチが喧嘩をしながらアシナガバチの幼虫を引っ張り出して食べています。アシナガバチは闘う術を知らないので、ただ壁に避難して、難が去るのを待つだけです。

その後も、今日10月4日まで、ヒメスズメバチは時々やってきては、アシナガバチの巣を襲うのでした。

 平常時のアシナガバチはこのように巣にかたまっています。

 

 ヒメスズメバチが巣を襲いにくると、散ります。

 

今年は、巣が大きくなってからヒメスズメバチに見つかったため、襲われても個体数が激減することはありません。ヒメスズメバチも日数を空けて襲うことが多いため、アシナガバチも回復します。こうして、搾取する側とされる側の構図が出来上がりました。

アシナガバチにそっと呟きます。人間界でもあることだよ、と。名だたる日本企業たちも大株主は海外投資銀行になってしまった。日本人が一所懸命に働いて築いた富の一部は海外に抜かれている。君たちが働いて育てた幼虫を獲られるようにね。理不尽な世の中だね。

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