St. Augustin
6月2日はRonの命日でした。Ronはフロリダに住む母の伴侶で、私のStep father です。2020年6月に亡くなりました。初めて会った2000年の1月から、私のことをとても可愛がってくれました。
2019年2月が、私が直接Ronと会う最後になりました。
2019年の2月、久しぶりに私がフロリダ西海岸のRonと母の家にひと月滞在することが決まったときのことです。「ルカが来るなら、旅行に行こうよ」という母からの提案がありました。目的地は、St. Augustin 。フロリダの東海岸に位置する街で、アメリカ最古の街と考えられている場所です。St. Augustinには数年前にRonと母が二人で旅行し、素晴らしかったので、ぜひ私を連れて行きたかったのだそうです。
そういうわけで、Ron、母、私、夫の4人で3泊4日の小旅行をしました。
16世紀のスペイン植民地時代の砦や家並みが保存された街はヨーロッパの面影を持っており、多くの見どころがありました。
マタンザス湾を一望するサンマルコス砦は、貝殻の破片からできたコキーナと呼ばれる石灰岩で築かれたダイヤモンド型の立派な要塞で、70門余りの大砲、チャペルや弾薬庫も17世紀のスペイン統治下のまま。感動したのは、17世紀にスペイン兵が石壁に描いたイギリス船の落書きです。その上から、19世紀のイギリス統治下に、イギリス兵が小さな落書きを加えています。落書きを見ていると、兵士たちの姿が生き生きと目に浮かびました。
←コキーナ
砦の次に気に入ったのは、Oldest Houseです。名前の通り、アメリカに残っている最も古い家です。貝とサンゴの破片で出来た石、コキーナストーンで建てられています。300年以上の歴史のある家の1階には、初期の持ち主であるスペイン人一家の時代から使われていた、ライムストーンの床の台所が残っています。時代が下ると2階部分が建て増され、19世紀後半の持ち主のイギリス人少佐一家が使っていた家具が展示してありました。歴代の持ち主とその家族の生活がうかがえました。スペインの習慣に合わせて作られた家を、イギリス人が改装した形跡も残っていて、興味深く見学しました。
Oldest Houseの中庭
他にも、昔の民家(Oldest Houseよりは新しいものの)、診療所、スペイン統治下の街並みを再現したコロニアル・スパニッシュ・クオーター、森のアーチにスパニッシュ・モスが垂れ下がる自然公園の道、ライトナー博物館、ティファニーの装飾を施した元ホテルを利用したフラグラー大学の豪華な校舎の見学などを満喫しました。
コロニアル・スパニッシュ・クオーターには、牢屋や絞首刑台も。
Ronと母。ライトナー博物館にて。
また、ヨーロッパ人の入植が最も早かったこの街には、キリスト教の多くの宗派の教会があります。
ラ・レチェ寺院とノンブレ・ディオス教会は、アメリカ合衆国におけるカトリック発祥の地。
4人で観光用トラムに乗って街を巡ったり、素敵なレストランで食事をしたり、夢のような時間を過ごしました。Ronと母も、「あなたたちと旅行したことは、忘れられない思い出」と喜んでいました。Ronが亡くなる前の年に、思い出が作れて本当に良かったです。
ホテルからの眺め