雷雨

3週間、晴天が続きました。芝生の表面には黄色い部分さえ見え始めました。植物の水やりに使っていた雨水樽の備蓄は減り、蛇口から出る水も、勢いが弱まっていました。

今日は、朝からやや曇りがちでした。午後2時ごろから薄っすらと暗くなり、空の隅が光り、雷の音がガラガラと何度も響きました。午前中鳴いていた油蝉の声が、いつからか消えていました。雨が降るのではという期待とともに、私の心が躍りました。掃き出し窓の傍らに置いたグライダーチェアに座って、コーフィーを飲みながら庭を眺めていると、間もなく雨がポツポツと落ちて沓脱にシミを作り、睡蓮鉢の水に幾つもの波紋を描きました。すぐに、さあっと音を立てて雨が降ってきました。雷鳴が轟いて空全体が光りました。雨の音はすぐにざーざーという濁音混じりに変化しました。

クーラーのかかった涼しい部屋の中から、二重ガラスの窓の外の雷雨の庭を眺めるのは、不思議な気分です。

しかし、ぼうっとはしていられません。2階の窓を閉めないと…と思い、雑巾を持って階段を上がりました。吹き込んだ雨を拭き取ったついでに、内側の窓サッシの掃除をしました。窓ガラスの外側を雨水が流れ落ちるのを眺めつつ掃除をする。ウキウキしました。西側の窓なんて、雨が叩きつけて飛沫が上がっていました。面白い。大きな雷が光ったとき、階段の電気が点滅したように思えました。軽い快感を覚えました。

掃除を終えると、エアコンが効いた居間に戻り、優雅に雷雨の風景と音を楽しみました。

2時間ほどで雷雨は止みました。再び窓を開けると、涼しい空気が肌に触れました。5度くらいは下がったのではないかと思いました。暫くすると、雷雨の間おとなしくしていた油蝉が、再び鳴きだしました。

自然の変化ほど心身に響くエンターテインメントはないなあ、と思います。

 

 

前の記事

Ubuの死