主の公現

 

 ガレット・デ・ロワというお菓子を取り寄せました。主の公現の日に食べる、フランスのお菓子です。中にウェーヴという小さな陶器の人形が入っていて、それを当てた人は王冠をかぶり、その日は王様または女王様になれるのだそうです。私が取り寄せたお店のものは、誤飲防止のためか、一粒のアーモンドが中に隠されていて、ウェーヴは別についてきました。

カトリックの歴では、主の降誕(12月25日)から主の公現(今年は1月8日)までがクリスマスです。我が家では、この期間ずっとクリスマスの飾りを出したままです。

 (←フロリダのChristmas Villageで買った灯台のオーナメント)

主の公現って何?という人のために説明します。イエス様が生まれて1~2年後に、東方から占星術の学者たちがイエス様を訪れたことを記念する日です。当時のユダヤ人が「東方」と言ったら、それはバビロン、即ち現在のイラクです。紀元前6世紀に起こったバビロン捕囚中に、ユダヤ人の預言者ダニエルがバビロンで書き残した予言書を頼りに、メシヤが生まれる時期を導き出したと思われます。そして、星を見てから準備をして旅立ったので、ベツレヘムに到着するのに1年以上かかりました。

占星術の学者を、「3人の」と思い込んでいる人たちがいますが、聖書のどこにも3人とは書いてありません。黄金、乳香、没薬を贈り物として捧げたと書いてあるので、一人が一つづつ持っている絵が描かれたり人形が作られたりした為、3人というイメージがついてしまったようです。しかも、後世の人達によってカスパール、メルキオール、バルサザールという名前まで付けられてしまいました。思い込む人が後を絶たないのも無理はありません。実際は、学者数人を含む100人以上のキャラバン隊だったでしょう。長い道のりを旅してきたのですから。

占星術の学者たちが訪れたのは、イエス様が1~2才くらいの頃のことです。これも勘違いしている人が多いのですが、誕生直後ではありません。マタイの福音書2章11節には、「家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。」とあります。もう家に住んでいます。家畜を飼っていた洞窟ではありません。

 我が家にもある、この馬小屋セット。3人の学者たちが、イエス様降誕直後、羊飼いや家畜と一緒にいます。これのせいで、間違ったイメージが形成されてしまうのかなあ…。

 

さて、ガレット・デ・ロワですが、六等分して、夫と私の2人で3日かけて頂きました。夕飯のデザートに。

3日目の今日、夫は大きめに切れたケーキのピースを選び、私は残された小さ目のピースをとりました。

結果、アーモンドを当てたのは私でした! 『舌切り雀』でも、小さいつづらに宝がありましたし、そういうものなんですかね。

私が女王様なので、今夜の夕飯の片付けは夫の役目です。

(ついてきたウェーヴはフクロウ🦉でした。↓)

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