庭の虫たち
6月のある日、庭で草取りをしていた夫が「カリッカリッ」という音に気付きました。「屋根に鳥がいるのかな?」と見上げると、軒下にアシナガバチの巣があり、1匹のヒメスズメバチが巣をかじっている音とわかりました。その後、幼虫とおもわれるものを引っ張り出し、食べている様子でした。
その間、アシナガバチは巣から離れ、難が去るのをじっと待っている様子でした。勇敢な1匹が立ち向かいましたが、押し返されてしまったようでした。ヒメスズメバチは、アシナガバチの幼虫を殆ど食べて立ち去りました。でも、卵が残っていました。
アシナガバチは巣を放棄してしまうかな?と心配していましたが、留まってくれました。巣を修復し、また幼虫を育てました。しかし、暫くすると、またヒメスズメバチがやってきて、巣を襲う。この繰り返しです。アシナガバチはヒメスズメバチのために子育てしているようなもの。可哀そう….。
山椒の木についたアゲハの幼虫
小さな庭でも、あると良いもので、植栽の他にも、勝手に生えてくる植物や、やってくる小さな動物を観察して地味に感動します。
植えたレモンの木や、勝手に生えてきた山椒の木に、よくアゲハの幼虫がつきます。フェンネルにはキアゲハの幼虫がついていました。幼虫の多くは、アシナガバチに狩られてしまいます。その為、植物が酷く食い荒らされることはありません。アシナガバチは狩った芋虫の肉を自分たちの幼虫に与えます。そして、アシナガバチがある程度増えると、どこからともなくヒメスズメバチがやってきて、アシナガバチの幼虫を食べてしまいます。だから、アシナガバチが増え過ぎることもありません。6月から、2カ月以上経ちましたが、アシナガバチの巣は5部屋くらいしか増えていません。
庭の中だけでも、生態系の一片を観察することができます。